2008年 01月 18日
中国の植物学者の娘たち
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ずいぶんマイナーな映画ばかりを見る人だと思われてもしようがないような題名の映画です。「中国の植物学者の娘たち」
さすがにこれは映画館はガラガラでした。
監督は「小さな中国のお針子」の、ダイ・シージエ。(ブログ2006年6月をご覧ください)
この監督はこういったロケーションが好きなのでしょう。舞台は中国の山深い自然に囲まれた湖の中の土地。
薬草の研究をしている植物学者の父とその娘が暮らす家に若い女性のアシスタントがやってくる・・・。
彼女は孤児。植物学者の娘とは同世代ということもあり、ふたりはたちまち仲良しとなり、さらにそれ以上の関係に・・・。
同性愛というテーマから中国でのロケはできなかったということで、実際には、撮影はベトナムで行なわれたようだ。薬草と、同性愛ということが奇妙に絡み合ってくるあたりはさすがだが、閉鎖された奥地ゆえ、人を愛するエネルギーが、異性同性を超えてただ身近な者に向いていっただけ、という見方もできる。子育てを終えた老夫婦がペットをかわいがるのと同じようなものだ。
人間は愛情を注ぐ対象がないとやっていけない。人である限り常に愛し、愛されたい。この場合の娘たちも、禁断の出来事といったそんな大げさなことではないように思える。ただ、若さゆえ肉体を持て余し、愛情がプラトニックなだけではすまなかった、ということなのだ。若いということはそういうことでもある。
しかし、中国の話ってどうしてこうも悲しい結末が多いのか。もっとも、この話は悲劇でなければ終わることができないのだけれど。
KEI
by kmd-design
| 2008-01-18 14:09
| Book & Cinema