2010年 12月 01日
教会が銀行を作る
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ウィーンの街の中心にあるシュテファン寺院は1359年に設立されたカトリックの教会である。こうした古い建造物は絶えず修復を行っているのが常だが、ここでも外観の多くにインクジェットプリントの仮囲いシートが張り巡らされ、修復の真っ最中であった。
寺院近くをフラフラ歩いていると、シュテファン寺院らしき塔をモチーフにしたCI の銀行を発見。ピクトグラムのような表現が気になったので、名前を見てみると、Schelhammer&Schattera銀行とある。
帰国後、CIを調べようとHPを開くと、Schelhammer&Schattera銀行開設の発端は教会にあったということがわかった。
設立は1832年、ウィーンで一番古い銀行なのだそう。現在でもキリスト教会関連が主要株主となっているらしく、それでデザインに納得がいった。でもこのCIはモダンな表現であるのでおそらく近年のものだろう。
教会が学校や美術館を経営することはよくあるが、一見宗教活動と関係なさそうに思える金融機関も、教会ビジネスの輪の中にしっかりと組み込まれているのであった。
by kmd-design
| 2010-12-01 15:37
| 世界あっちこっち