2006年 02月 23日
青磁色は守り神
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ずいぶん暖かくなってきた。もうすぐ春。身辺の状況は変わらないが、春というだけで夢ふくらむ。
それにしても今年の冬は例年に比べずいぶんと寒かった。
12月の終わり頃、あまりの寒さで、丈の長いコートが欲しくなり、いつも愛用しているブランドのショップに行った。店員に、とにかくロングのものを所望と伝えたら、青磁色(ターコイズ)とブラウンの2色がありますとのこと。
普段黒っぽい服が多いので、たまにはイメージの違う色にしようと思い、青磁色の方を選んだ。さっそくそれを着て、現在にいたっているのだけれど、見た目寒そうな色だからコートには珍しいように思う。
先日ある大学の受験会場の前を通りがかった時、ふと思い出すことがあった。、そういえばかつて青磁色の服をもっていたことを。
それは、全体が裏編みになっていて前身頃に縄編みが左右に1本ずつ入ったラウンドネックのセーターで、軽くて着やすいので愛用していた。
大学受験のとき、私は浪人生ということもあり、3つの美大を受験した。そして、迎えた最初の受験日に、普段着慣れたこのセーターを何気なく着ていった。1次試験はデッザンなので、腕の動きやすい方がいい。多分それで普段通りのセーターだったのだと思う。
まず1校目の1次試験。とりあえず合格。2次試験、それも合格。このときも同じセーターだった。美大の試験は2次3次と何度もあるのが普通なので、何校か受けると受験回数はずいぶんと多くなる。1校目に続き2校目も合格。次々とクリアしていくうちにだんだん試験場に着ていった青磁色のセーターが幸運を呼んでいるような気がして、他の服を着ることができなくなってしまった。藁をもつかむ思いの受験生にとっては無理のないことだ。
そうこうするうちに、ついに本命の大学の3次試験にまでこぎつけることができた。3次試験の最後は面接。これさえクリアすればもう受験は終わり。しかし、面接官の前に立つにはあまりにもお粗末なセーター。それもずっとこの間着たきり雀だったためにすでにクタクタになっていた。それでももうこの流れには逆らえない。自分から「げんかつぎ」を作り出してしまったのだから。ここまで来て服を変えて落ちたらとんでもなく後悔する、そう思って私はその姿で面接を受けることにした。果たして結果は、合格だった!
それからウン十年ぶりの青磁色との出会い。もう試験のような過酷な機会はないけれど、イザ(何がイザだか?)というときには思い出そう。そういえば誕生石もトルコ石。青磁色はわたしにとってはラッキーカラーかもしれない。
ものごとはいつの場合も良い方に考えた方が得に決まっている。だからそういうことにしておこう。
KEI
それにしても今年の冬は例年に比べずいぶんと寒かった。
12月の終わり頃、あまりの寒さで、丈の長いコートが欲しくなり、いつも愛用しているブランドのショップに行った。店員に、とにかくロングのものを所望と伝えたら、青磁色(ターコイズ)とブラウンの2色がありますとのこと。
普段黒っぽい服が多いので、たまにはイメージの違う色にしようと思い、青磁色の方を選んだ。さっそくそれを着て、現在にいたっているのだけれど、見た目寒そうな色だからコートには珍しいように思う。
先日ある大学の受験会場の前を通りがかった時、ふと思い出すことがあった。、そういえばかつて青磁色の服をもっていたことを。
それは、全体が裏編みになっていて前身頃に縄編みが左右に1本ずつ入ったラウンドネックのセーターで、軽くて着やすいので愛用していた。
大学受験のとき、私は浪人生ということもあり、3つの美大を受験した。そして、迎えた最初の受験日に、普段着慣れたこのセーターを何気なく着ていった。1次試験はデッザンなので、腕の動きやすい方がいい。多分それで普段通りのセーターだったのだと思う。
まず1校目の1次試験。とりあえず合格。2次試験、それも合格。このときも同じセーターだった。美大の試験は2次3次と何度もあるのが普通なので、何校か受けると受験回数はずいぶんと多くなる。1校目に続き2校目も合格。次々とクリアしていくうちにだんだん試験場に着ていった青磁色のセーターが幸運を呼んでいるような気がして、他の服を着ることができなくなってしまった。藁をもつかむ思いの受験生にとっては無理のないことだ。
そうこうするうちに、ついに本命の大学の3次試験にまでこぎつけることができた。3次試験の最後は面接。これさえクリアすればもう受験は終わり。しかし、面接官の前に立つにはあまりにもお粗末なセーター。それもずっとこの間着たきり雀だったためにすでにクタクタになっていた。それでももうこの流れには逆らえない。自分から「げんかつぎ」を作り出してしまったのだから。ここまで来て服を変えて落ちたらとんでもなく後悔する、そう思って私はその姿で面接を受けることにした。果たして結果は、合格だった!
それからウン十年ぶりの青磁色との出会い。もう試験のような過酷な機会はないけれど、イザ(何がイザだか?)というときには思い出そう。そういえば誕生石もトルコ石。青磁色はわたしにとってはラッキーカラーかもしれない。
ものごとはいつの場合も良い方に考えた方が得に決まっている。だからそういうことにしておこう。
KEI
by kmd-design
| 2006-02-23 13:14
| Essay