2007年 12月 07日
影の産物
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アルピニスト野口 健氏のメッセージ展を見に行った。
山の清掃活動を行っている野口氏がエベレストから持ち帰った酸素ボンベやラジウスのガス缶などが会場狭しと並べられている。
故意に捨てられた物ばかりではないだろうが、登山者が置き去りにしたゴミの数々は、華々しい栄光の影に残されたぬけがらである。
実際にエベレストから持ってきた物だけに説得力充分だ。ゴミには、英語、日本語、ハングル語、中国語などの文字が見て取れ、どこの国から運ばれた物なのかが一目瞭然だ。
そもそも、こうしたなゴミの実物をリアルに見せることによって自然環境などの問題提起を促そうというのが展覧会の趣旨のようだ。百聞は一見にしかず、である。
見ていてふと思った。
使用済みの酸素ボンベなどがエベレストに埋もれていては自然破壊になってしまうのだろうが、都市に運ばれたこのゴミたちは今度は地球上のどこへ行くことになるのだろう?(もちろんゴミ処理場だろうけれど)
ところで、エベレストや富士山のゴミはまだ平和の部類ともいえる。
以前、ロッテルダムの美術館で、地雷の展覧会を見たことがある。世界中に存在する戦場で採取されたさまざまな地雷が一堂に並んだ風景は、モノがモノだけに空恐ろしかった。
地雷も凄惨なゴミ。これを作っているのも同じ人間なのだ。
戦場ではこれに限らず、とてつもないゴミが日々生み出されているのだろう。
登山と戦争を一緒にするわけではないが、何かを制覇するためには、その影の産物が必ずや生まれる。
それらはどこへ運ばれようと、同じ地球上に存在していることだけは事実である。
山の清掃活動を行っている野口氏がエベレストから持ち帰った酸素ボンベやラジウスのガス缶などが会場狭しと並べられている。
故意に捨てられた物ばかりではないだろうが、登山者が置き去りにしたゴミの数々は、華々しい栄光の影に残されたぬけがらである。
実際にエベレストから持ってきた物だけに説得力充分だ。ゴミには、英語、日本語、ハングル語、中国語などの文字が見て取れ、どこの国から運ばれた物なのかが一目瞭然だ。
そもそも、こうしたなゴミの実物をリアルに見せることによって自然環境などの問題提起を促そうというのが展覧会の趣旨のようだ。百聞は一見にしかず、である。
見ていてふと思った。
使用済みの酸素ボンベなどがエベレストに埋もれていては自然破壊になってしまうのだろうが、都市に運ばれたこのゴミたちは今度は地球上のどこへ行くことになるのだろう?(もちろんゴミ処理場だろうけれど)
ところで、エベレストや富士山のゴミはまだ平和の部類ともいえる。
以前、ロッテルダムの美術館で、地雷の展覧会を見たことがある。世界中に存在する戦場で採取されたさまざまな地雷が一堂に並んだ風景は、モノがモノだけに空恐ろしかった。
地雷も凄惨なゴミ。これを作っているのも同じ人間なのだ。
戦場ではこれに限らず、とてつもないゴミが日々生み出されているのだろう。
登山と戦争を一緒にするわけではないが、何かを制覇するためには、その影の産物が必ずや生まれる。
それらはどこへ運ばれようと、同じ地球上に存在していることだけは事実である。
KEI
by kmd-design
| 2007-12-07 12:14
| Essay