2006年 02月 03日
ほうれん草の根っこ
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この時期ほうれん草がおいしい。
ほうれん草にはシュウ酸という成分があってそれが食べたとき口に残るあの独特のアクなのだが、最近のほうれん草は生で食べられるくらいアクが少ないように思う。
それと、根っこの部分の赤さ。これも少ない。中にはまったくないものもある。
ほうれん草の根っこにはちょっとしたこだわりがある。(根っこと呼ぶのは正しくないかもしれない。茎の末端のところだから)
幼稚園に通っていた頃(ずいぶん古いね)、友人にちょっと利発なMちゃんという子がいた。彼女の家は父親が中央省庁の官僚。官舎住まいだった。
その当時お弁当といえば、たまご焼きやきんぴらごぼうのようなふるぼけたおかずがアルミのお弁当箱(なつかしい)に詰め込んであるのが普通だった。
そんな中である時、Mちゃんのお弁当箱には、当時のお弁当のおかずとしてはめずらしいロースハムとほうれん草のソテーが入っていた。ほうれん草は、緑の葉っぱと一緒に束になった赤い根っこのところも入っていた。
私は、そのほうれん草の根っこがやけに気になった。
知的なおうちはほうれん草の根っこも捨てずに食べるんだ、とコンプレックスとともにそんなふうに理解した。
自分で料理をするようになって、ほうれん草を何度調理したことだろう。私は赤い根っこをただの一度も捨てたことがない。捨てられない。
赤いところはポリフェノールか何かの成分が含まれていて、体にはよさそう。だからというわけでもなく、Mちゃん一家が根っこまで食べていたからというわけでももちろんない。多分、捨てないのは私の流儀にあっていたからだ。
アルミのお弁当箱に転がっていたほうれん草の根っこ。今にして思えば、Mちゃんはほうれん草の根っこが嫌いだったのかもしれない。
それは、ほうれん草の緑と赤のコントラストのようにあざやかに思い出される。
KEI
ほうれん草にはシュウ酸という成分があってそれが食べたとき口に残るあの独特のアクなのだが、最近のほうれん草は生で食べられるくらいアクが少ないように思う。
それと、根っこの部分の赤さ。これも少ない。中にはまったくないものもある。
ほうれん草の根っこにはちょっとしたこだわりがある。(根っこと呼ぶのは正しくないかもしれない。茎の末端のところだから)
幼稚園に通っていた頃(ずいぶん古いね)、友人にちょっと利発なMちゃんという子がいた。彼女の家は父親が中央省庁の官僚。官舎住まいだった。
その当時お弁当といえば、たまご焼きやきんぴらごぼうのようなふるぼけたおかずがアルミのお弁当箱(なつかしい)に詰め込んであるのが普通だった。
そんな中である時、Mちゃんのお弁当箱には、当時のお弁当のおかずとしてはめずらしいロースハムとほうれん草のソテーが入っていた。ほうれん草は、緑の葉っぱと一緒に束になった赤い根っこのところも入っていた。
私は、そのほうれん草の根っこがやけに気になった。
知的なおうちはほうれん草の根っこも捨てずに食べるんだ、とコンプレックスとともにそんなふうに理解した。
自分で料理をするようになって、ほうれん草を何度調理したことだろう。私は赤い根っこをただの一度も捨てたことがない。捨てられない。
赤いところはポリフェノールか何かの成分が含まれていて、体にはよさそう。だからというわけでもなく、Mちゃん一家が根っこまで食べていたからというわけでももちろんない。多分、捨てないのは私の流儀にあっていたからだ。
アルミのお弁当箱に転がっていたほうれん草の根っこ。今にして思えば、Mちゃんはほうれん草の根っこが嫌いだったのかもしれない。
それは、ほうれん草の緑と赤のコントラストのようにあざやかに思い出される。
KEI
by kmd-design
| 2006-02-03 18:56
| 身近な日常