2010年 12月 02日
メランジェはウィーンの味
|
「ウィーンにウィンナーコーヒーは存在しない」とはよく言われること。
それはたとえば中国に中国料理がなかったり、フランスにフランスパンがなかったりするのと同じこと。日本人が勝手に付けた呼び名ですから。
しかしながらそれらは、コーヒーにおいてはウィーンのコーヒーが、料理といえば中国料理が、パンはフランスのパンが、それぞれ一番おいしいことの裏返しではないだろうか。
日本で名付けられた「ウィンナーコーヒー」は、コーヒーにホイップクリームが浮かんだものとの認識が一般的だと思うが、それはオーストリアでは「メランジェ」と呼ばれる飲み方に相当する。「メランジェ」はエスプレッソに泡立てミルクを落としたもので、これこそウィーンのコーヒーの飲み方の代表格なのである。
ところで、オーストリアで一押しのコーヒー豆は、「ユリウスマインル」というブランド。
ユリウスマインル社は1862年にウィーンで生まれた。当時はコーヒー豆の焙煎が難しかったのだが、ユリウスマインル社はコーヒー豆のブレンドとおいしい焙煎を確立し、大きく成長していった。エチオピア産の豆をイタリアのヴィチェンツァで焙煎しているのが特徴で、それを表すのが赤い帽子をかぶったアフリカの男の子のコーポレートマークである。
ウィーンといえば音楽。と同時にウィーンはカフェ文化の浸透したところでもある。歴史のあるカフェから新しいカフェまでさまざまなカフェハウスが並び、コーヒーの飲み方も色々。チョコレートやトルテなどのおいしさもコーヒーあってこそかもしれない。
さぁて、ここまできたら急においしいコーヒーが飲みたくなってきましたね。
何はともあれ、ウィーンでコーヒーを飲む時には「メランジェ!」と一言。これでおいしいウィンナーコーヒーにありつけること請け合いです。
KEI
by kmd-design
| 2010-12-02 15:06
| 世界あっちこっち