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2012年 04月 18日
知らなかった、ロッテクールミントガム

ペンギンのイラストでおなじみのロッテクールミントガム。佐藤卓さんのデザインですね。
最近の包み紙は全部同じではなくて、いろいろなパターンがあるのですね。
どれくらいの種類があるのかためしに5個ばかり買って開けてみたところ、どうやら図柄は8種らしいことが判明。
ひと包みは9枚入りですが、8種全部が入っているわけではなく、ランダムにいろいろな図柄が入っているようです。
意外だったのはペンギンだけでなくクジラの絵もあること。クールミントにクジラとは知らなかった~!(佐藤卓さんのサインかな?)
ところで、発売元のロッテって今年の大学生の人気企業ランキングの上位なんですね。これも知らなかった~!就職先も韓流ブームなんですね。
   



KEI
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# by kmd-design | 2012-04-18 14:31 | 身近な日常 | Comments(0)
2012年 04月 04日
冬のデザイン
雪吊り、といえば兼六園。冬の金沢の風物詩である。
そもそも雪吊りとは、積雪地帯で雪の重みで樹木の枝が折れないように、縄で枝をつり上げることだが、吊り上げる形や縄の太さ、本数、また、小さな樹木はそのまま枝をまとめて巻き込むなど方法はさまざまらしい。一般的な大きな木の雪吊りの方法は樹木の幹付近に柱を立て、柱の先端から各枝へと放射状に縄を張る方法で、これを「りんご吊り」と呼んでいる。
どうしてりんごなのかといえば、明治以降西洋リンゴの栽培が日本で始まり、リンゴの実の重さを支えるために行った方法が今の雪吊りだったというわけだ。雪吊りとはそもそもリンゴを吊るためのものだったらしい。
それでは北陸、兼六園では雪吊りをどのように行っているかといえば、これがなかなかすごい。
作業は例年11月1日に始まり、12月中旬頃までかけて、兼六園おかかえの庭師が中心となって、延べ人数何と500人もの手をかけて行うのだそうだ。段取りもきっちり決められ、園内随一の枝ぶりを誇る「唐崎松」から作業を始め、春になって縄を外すときもこの松の縄を最初に解くとのこと。「唐崎松」には、5本の芯柱が建てられ、何と総数約800本もの縄が吊られ、一本一本が松の枝に結びつけられていく。もちろん吊り方は「りんご吊り」である。こうなってくると雪吊りとは、あまりにも巧緻な職人技であり、見事な儀式でもある。
ちなみに「唐崎松」とは前田藩の13代藩主前田斉泰(なりやす)が近江八景の一つである琵琶湖畔の唐崎松から種子を取り寄せて育てたと言われる黒松で、兼六園ではその他にも見事な松には名前が付けられ、それは松が人格をもっているようにも思える。
日本庭園のすばらしさは、春夏秋冬、四季折々の植物や風景の変化であり、それは見る人を飽きさせないが、そうした中での雪吊りは、もはや雪害対策という以上に、冬の庭園風景を演出する上での欠かせない小道具といえるだろう。
大小さまざまに枝を広げる松の一本一本に縄をかけ、全体でバランスの良い形に仕上げる技は、松をどのように生長させ形づくっていくかの作業と同じだ。雪で覆い尽くされぼんやりと一体化してしまう風景の中に、人の手で描くシャープな円錐型の幾何学形態が加わると、庭園はモダンで鋭いデザインへと変化する。それは城下町金沢の優れた美意識と細やかな表現の集積に他ならない。兼六園では冬場の週末は夜間のライトアップが行われており、(それが植物にとって良いか悪いかは別として)、人工照明による雪吊りの風景は、自然と人工の美があいまって幻想的なことこの上ない。

ところで、雪吊りは「ゆきつり」、あるいは「ゆきづり」と発音するらしい。私はてっきり「ゆきつり」と思っていたのだが、先日、金沢最寄りの小松空港で、北陸出身の著名パティシエのお菓子に雪吊りのイラストとともにローマ字で「YUKIZURI」と書かれており、これを見て果たして雪吊りは「ゆきづり」と読むのが正しかったのか?と疑問を持ってしまった。調べてみると「ゆきつり」「ゆきづり」どちらもまちがいではないことがわかったのだが、いずれにせよこのパティシエも雪吊りの造形が潜在意識の中にあり、菓子をデザインするときにイメージが飛び出してきたのだと思うとなんだか親しみを感じ、思わず購入してしまった。
「YUKIZURI」の言葉から連想するのは「行きずりの恋」「行きずりの街」などに表現される刹那的で投げやりなイメージだが、「行きずり」の観光客の目さえも留める美しい雪吊りこそ、まさに北陸の冬のデザインの代表格ではなかろうか。


(全日本ネオン協会広報誌NEOS「サインとデザインのムダ話」より)

KEI
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# by kmd-design | 2012-04-04 11:23 | 日本あっちこっち | Comments(0)
2012年 03月 19日
間違いだらけのニコライ堂

駿河台の名所ニコライ堂。ドーム型のブルーの屋根が目印です。
ところでみなさん、ニコライ堂はジョサイア・コンドルの設計と思っていませんでしたか?
少なくとも私はそう思っていました。
でもそれは正しくありません。
正解は、ロシア工科大学教授のシチュールポフさんという方が設計者で、当時日本にいたコンドルはそれに基づき実施設計と監理を担当したのです。
言われてみれば、確かに見かけはロシア風ですね。コンドルはイギリス人だから、もし彼がデザインしたならば、全く違ったものになったことでしょう。

ニコライ堂はロシア建築だった、とわかったところで、それではここはロシア正教の聖堂なのか?というと、これも間違いだそうです。 
正解は「ギリシャ正教」なのだそうです。ハテ??キリスト教に疎い私はこのあたりのことはまったく理解不能です。

ついでにニコライ堂というのは通称であって、正式には「東京復活大聖堂」というのだそうです。
「東京復活・・・」ということは、もしかして関東大震災からの復興のメモリアルだったわけ?と思いきや、それもまたまた大間違い。
そもそもニコライ堂は明治24年にはすでに建てられておりました。
「復活」とはキリストの復活を示すもので、要は、東京にある復活教会という意味です。

そして最後にもうひとつ。通称であるにせよなぜニコライ堂というのか?について。
聖ニコライを祀ってあるからニコライ堂?と思いがちですが、それも間違い。簡単にいえば聖ニコライがシチュールポフ教授に設計を依頼したから、ということです。何ともややこしい。

間違いだらけのニコライ堂。
もちろん間違っているのはニコライ堂の方ではなく私の知識の方ですので、どうぞお間違いなく。




KEI
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# by kmd-design | 2012-03-19 20:40 | 日本あっちこっち | Comments(0)
2012年 03月 08日
暮しの手帖とタイトルロゴ

「暮しの手帖」創刊号。昭和23年(1948年)に発刊されました。
花森安治さんの表紙デザインは今見てもちっとも古くありません。敗戦後間もないどさくさした時代のものとは思えないほど斬新でカワイイです。日本の新しい時代が始まったことを象徴している一冊かもしれません。
写真でお気づきのように「暮しの手帖」は、発売当時は「美しい暮しの手帖」というのが正式名称だったようで、それはひとりひとりの日々のくらしがどれだけ大切かをうたっているようでもあります。
今更ながら興味を惹かれ、昨年生誕100年記念で出版された「花森安治のデザイン」を購入しました。この本には花森氏存命中の「暮しの手帖」の表紙原画153点全部が掲載されていています。
それを見て気付いたのは、表紙のデザイン画に組み合わされた「暮しの手帖」というタイトルロゴのこと。
びっくりすることに毎号違っていたのです。大ざっぱに見れば同じ人が書いているので同じようなのですが、大きさ、太さ、文字の縦横比、文字間のあき、文字の塗りつぶし具合など、似ているようでもふたつと同じものはありませんでした。暮しという字の草かんむりも離れているものと一本のものとの二種類がありました。
文字組は1号から12号までと15号が縦書きで、以降はほとんど雑誌の上部に横書きですが、中には例外的に二行の縦書きや二行の横書きもありました。
そして、当初の「美しい・・」のタイトルは1号から21号までつけられていますが、段々文字が小さくなって、22号目で自動消滅したように、現在の「暮しの手帖」に変わっています。
なんとなく頭に刷り込まれていた花森流の「暮しの手帖」のロゴですが、毎号表紙デザインとともに新たに書き起こされていたとは・・・。複写が容易ではなかった時代のことはわかりますが、最期の1978年まですべて手書きでつくられていました。まさにこの雑誌のコンセプトの通り、丁寧でいい仕事していたのですね。


KEI
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# by kmd-design | 2012-03-08 15:53 | Book & Cinema | Comments(0)
2012年 01月 31日
お土産は器


今回の沖縄土産はふたつ。どちらも焼物の器です。
ひとつは壺屋やちむん通りで買った、魚の絵で有名な人間国宝金城次郎さんの長女、宮城須美子さんの作品。おおらかな線で彫り込んだ二種類の魚がいかにも沖縄壺屋という感じ。色合いが少々田舎風ではありますが軽くて使いやすいです。
もうひとつは、久茂地の青砂(せいさ)工芸館で見つけたもので、石垣出身の陶芸家、迎里正光さんという方の作品。植物の図柄が掻き落としで器の内外両方に描かれており、とても凝っています。ちょっとプリミティブな感じでアフリカ民芸か、とも見えますが、一目で気に入り購入しました。この方の作品はどれもなかなか素敵です。
青砂工芸館は作家物ばかりを扱うギャラリーなので、ガイドブックなどには載っていませんが、とてもよい品が揃っています。



KEI
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# by kmd-design | 2012-01-31 15:37 | 日本あっちこっち | Comments(0)
2012年 01月 25日
消えゆくモダニズム建築


もはや廃墟と化した那覇久茂地の公民館。
モダニズムの趣深い建築ですが、老朽化によって取り壊しが決まり、昨年閉鎖されました。
この建物は、建設当時は沖縄少年会館として、1966年に地元の建築家によってつくられたもので、本土復帰されていない混乱期に全国からの寄付金で建設され、荒廃していた地域の子供たちの健全な育成にずいぶん貢献したそうです。その後は公民館、図書館、児童館などの複合施設として機能し、最上階にはプラネタリウムの丸いお椀も乗っています。
沖縄初のRC造の建築とのことですが、確かに老朽化はしており、耐震などの問題もあるのでしょうが、こんなことならどうして今に至るまでメンテナンスをしっかりやってこなかったのかと不思議でなりません。
今となっては壊した方が安くて安全というのでしょうが、こうした意義ある建築物が消えてしまうのは何とも残念な限りです。



後ろ姿もカワイイ

KEI
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# by kmd-design | 2012-01-25 20:40 | 日本あっちこっち | Comments(0)
2012年 01月 18日
カプチーノ?それとも・・・

一年で一番寒いこの季節。
熱々の甘酒をフーフーしながら飲むのは体が温まりますね。
実は近頃マイブームなのが甘酒です。
甘酒といっても通り一遍の飲み方じゃありません。
まずは普通に甘酒を作る要領で、酒粕をお水で溶いてわかします。
ぐつぐつしたらそこに砂糖を入れて甘みを調整します。
それではただの甘酒じゃ?とお思いでしょうが、
ポイントは「黒糖」を使うこと。
黒糖のただ甘いだけじゃない複雑な味が酒粕と混ざり合い、「こりゃ一体何だ?」と思わせる味になります。
そしてこれにさらに一味、シナモンを加えます。この写真ではシナモンパウダーをふりかけただけですが、もちろんそれでもOK。桂皮の場合は最初から入れて煮ましょう。
今回、ベースは福井のお酒「一本義」の大吟醸の絞り粕を使いました。普通、酒粕はかなり溶きにくいものですが、これはやわらかいペースト状で、わずかに米の粒々が残っています。
黒糖は宮古島産で、こちらは相当しっかりした味で、塩気もかなりあります。一粒食べれば疲れがとれる感じ。
できあがりは一見薄いカプチーノみたいですが、名づけて「黒糖甘酒シナモン風味」。
一杯いかがですか。


KEI
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# by kmd-design | 2012-01-18 19:46 | 身近な日常 | Comments(0)
2012年 01月 17日
HOMEを探して

内藤廣氏講演会「HOMEを探して」の案内状と封筒です。
震災以来日本国内では建築に対する考え方が変わってきています。人が拠り所とする建築とはどういうものであるのかが講演のテーマ。
そうしたメッセージを伝えるために、「家」に見立てた封筒と、開くと中からたたまれた「家」(案内状)が出てくるデザインにしました。
「家」がないことは生活拠点がないだけでなく、心の拠り所がないことなのですね。



KEI
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# by kmd-design | 2012-01-17 19:05 | お知らせ | Comments(0)
2012年 01月 16日
古木の顔

根津美術館庭にて



KEI
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# by kmd-design | 2012-01-16 19:02 | 日本あっちこっち | Comments(0)
2012年 01月 10日
千本浜

沼津、千本浜。千本どころではない壮大な松林。駿河湾から吹き付ける潮風で、すべての松の木が海と反対の方に傾いています。
この松原は田子の浦まで続いているのだとか。ウィキペディアによれば1000本どころか30数万本もあるそうです。



KEI
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# by kmd-design | 2012-01-10 18:58 | 日本あっちこっち | Comments(0)
2012年 01月 06日
スイカの家

葉山、真名瀬海岸のスイカの家。(佐久間小屋)


KEI
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# by kmd-design | 2012-01-06 18:50 | 日本あっちこっち | Comments(0)
2012年 01月 05日
頼朝の松


今年の初詣は葉山の森戸神社で。
神社裏手の海にある岩山には一本松が生えています。源頼朝が「いいね!」と言った松です。
遠くに富士山、その右に江の島が見えます。おだやかな海。日本の風景はやっぱりいいね!

読者のみなさま今年もよろしくお願い致します。



KEI
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# by kmd-design | 2012-01-05 00:00 | 日本あっちこっち | Comments(0)
2011年 12月 26日
Tokyo Landmark 2012カレンダー

「手刷りのシルク印刷でカレンダーを創る会」による2012年カレンダーをデザインしました。
テーマは、東京の12のランドマークを12の窓から見る、といったもの。

2012年、東京に新しい顔が仲間入りします。
それにちなみ、2012年のカレンダーのテーマは東京都心のランドマークをテーマにしました。
スカイツリーはもちろん、その座を譲った東京タワー。
政治の中心、国会議事堂。バブル時代の東京都庁やアサヒビール、東京のマスコット、忠犬ハチ公や上野の森の西郷さんも。
そして、それらの愛すべきランドマークを建物の窓、乗り物の窓、双眼鏡やモバイルから眺めてみました。

全国カレンダー展でもご覧いただけます。
2012年1月11日(水)~13日(金)
東京会場:銀座メルサ7階 東京銀座画廊美術館 
大阪会場:大阪マーチャンダイズマート2階

★只今、ご希望の方に差し上げております。kei@km-d.jpまでご連絡ください。




KEI
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# by kmd-design | 2011-12-26 13:17 | お知らせ | Comments(0)
2011年 12月 21日
カプセルホテルの30年
昨年はSDA賞を始めさまざまなデザイン賞でカプセルホテルが脚光を浴びた。京都にオープンしたカプセルホテル「ナインアワーズ」がデザイン界で圧倒的な話題をさらったのである。
ナインアワーズは狭い、暗い、汚い、唯一の取り柄は安さだけという従来型のカプセルホテルのイメージを、予約してでも泊まりたいと思わせるようなカッコイイ空間づくりによって一新したのである。これは何はともあれデザインの大きな力である。
それにひきかえ一気に古びてしまった感のある従来型のカプセルホテルだが、こちらの登場も実はたいへんにセンセーショナルであった。
時は1979年、日本の高度成長下、都市人口の過密化とともに誕生したのが、梅田の「カプセルイン大阪」であり、このカプセルホテル第1号の生みの親こそ建築家、黒川紀章であったのだ。
黒川は「カプセルイン大阪」よりさらに7年ほど前、東京新橋に「中銀カプセルタワー」(写真)という超狭小空間の集合住宅を設計し、ここで初めてカプセルの概念を実現させた。室内にコックピットのような操作盤を持つ中銀カプセルタワーは、この時代の最も先鋭的な建築であり、住むための機械のような最小単位の住宅は、そのワンユニットが増殖してひとつの集合体を形成し、さらにそれらの建築がユニットとなり都市をも形成していく。これは黒川を始め菊竹清訓など数名の建築家によって結成された「メタボリズム」と銘打つ建築運動の概念で、カプセルホテルとは、まさにこの流れの中で生み出された日本独自の文化なのだ。

ところで、カプセルホテルを定義づける上で一番のポイントとなっているのが、上下二段に並んだ樹脂製のボックス(個室)である。この原型も「カプセルイン大阪」で初め導入されたものだが、以降このボックスは延々と、もちろん今でも、さまざまなカプセルホテルの中で使われてきた。そして、ここでまた「ナインアワーズ」の話に戻るのだが、「ナインアワーズ」では個室はスリーピングポッドと名づけられ、もちろんデザインがいいとか寝心地がいいとかはあるだろうが、それ以上に注目すべきは上下の個室が半分ずつずれて互い違いに並んでいることで、それにより寝ている真上(真下)に人がいない配置になっている。積み重ねの工夫で快適性が確保されるのだ。これをちょっとした違いと思うか画期的と思うかは別にして、個室の進化になんと30年もかかったということになる。

さて、カプセルホテルの文化や最新のデザイン性を知ったところで、それでは実際に宿泊したいかというと、残念ながら進んで利用したくはないのがこの手の狭小空間である。その気持ちのおおもとは、狭くてプライバシーがないなどの状況を一般のホテルと比較して捉えているからであるのだが、こうしたマイナスイメージ、あるいは思いこみをどうしたら払拭できるのだろうか?
ここにひとつの例がある。
ナインアワーズと同時期に大阪でオープンした「ファーストキャビン」は、名前から察するとおり航空機のファーストクラスをコンセプトとしてデザインされている。カプセルホテルの個室は「ホテル」というフィールドで捉えると、狭くて情けないものにしか思えないが、これを航空機の中という場の変換を想定すると、感じ方は全く異なってくる。「ファーストキャビン」も一種のカプセルホテルではあるが、一般的なそれと決定的に違うのは、ベッドが二段ではないことだ。しかも一人が占有する広さによってファーストクラス、ビジネスクラスのランク付けがなされている。さすがにエコノミーはないようだが、発想はすごい。下位のランクを設けることにより上位の価値がさらに上がっているのである。何より「ファーストキャビン」の最大の評価は、具体的なデザイン性より、視点を変えた点、価値の変換にある。ファーストクラスの寝心地を、わずか数千円で得られるとなれば、誰しもなんとなく納得してしまうのだから不思議なものだ。
カプセルホテルの30年。こうしてみるとマイナーであることは必ずしも悪いことではない。ピンチはチャンスと言われるように、知恵と工夫のチャンスはいつどこにでも転がっている。


KEI


全日本ネオン協会広報誌NEOS「サインとデザインのムダ話」より転載(写真は中銀カプセルタワー内部)
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# by kmd-design | 2011-12-21 23:17 | Essay | Comments(0)
2011年 12月 12日
ルーシーリーin宮古島?

宮古島のお土産、宮古焼の中鉢。
すごく気に入ったというわけではないが、手頃な値段でもあり、それより何よりシーサーショップの店頭にたったひとつしかなかったので買ったのだ。ひとつしかない、という希少性の原理にどうも弱い。
普段の食卓で、里芋の煮っころがしやひじきなんかを盛りつけたらいいし、それこそラフテーやクーブイリチーを盛りつけたらもっといい。
飛行機の搭乗時間が迫っていたこともあり、あたふたと買ってしまったのだが、自宅に持ち帰りじっくり見ると、シルエットが一見ルーシーリーふうであることに気づいた。
もちろんホンモノのルーシーリーほど優美でもなく、緊張感もなく、形は大いにゆがんでテキトーな感じではあるのだけれど、これはこれでいいサー。
セルリアンブルーの釉薬が珊瑚の海を思わせる。



KEI

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# by kmd-design | 2011-12-12 20:12 | 身近な日常 | Comments(0)
2011年 12月 09日
ひいきの弁当
先日、東海道新幹線に乗る前に東京駅構内でお弁当を買った。最近の駅ナカは食分野がとても充実していて、どの店の弁当を見てもおいしそうだ。ウロウロと一周しているとミシェランで有名なかの××山の文字が目に留まった。美しいロゴである。「津軽景色」と名のついたそれは、嬉しいことに値段もそこそ、もちろん弁当としては高いが、××山で食べることを考えれば、とてもお買い得と思えるのだ。持ち運ぶ形もコンパクトで、とりあえず今回はこれ、と決め、車内で昼の時間を楽しみにした。

ところで、私がそれまで東京駅のお弁当(駅弁と言うべきか)でひいきにしていたのは「じゃこめし」だった。「だった」とうらめしく過去形にしたのは、いつのまにか姿を消してもう食べることができないからである。「じゃこめし」は小田原のお弁当屋さんのもので、某著名料理人がプロデュースしている。小田原から東京駅へ持って来るタイムラグがあるためか、朝10時以降でないと買えず、私は「じゃこめし」を買うために新幹線の時間をずらすほどだった。(ウソです)
「じゃこめし」はご飯の上に山椒じゃこの佃煮がのっかり、おかずは、魚の唐揚げ白ごままぶし、インゲンの天ぷら、くるみの佃煮、ゆでた小さな里芋を松茸型に切ったもの、そしてゆで卵の醤油煮が半分、という取り揃えで、どうってことない食材だが一品一品どれもしっかりした味付けは、弁当ということをよく考えて作られている。質実剛健でシンプルなところが好きだった。だのにどうしてなくなったてしまったのか、人気がなかったとは思いたくない。多分プロデュースの契約期限が切れてしまったとか、ロイヤリティーに対するイザコザとか(勝手に想像してます)、ひいてはJR東日本vsJR東海のテリトリー争いとか(考えすぎ)、消費者にはよくわからないところで打ち切りになったのだ。ファンにとって中止とは何とも迷惑な話である。

さて、目の前の「津軽景色」、東海道を西へ下るのに津軽というのも全くそぐわないが、そんなことはおかまいなしに広げてみると、これはかなりいけている。見た目にもじゅうぶん美しい。
添えられた品書きをそのままなぞってみると、
青森県産米まっしぐらを使った、鮭ハラス・三つ葉・醤油漬けイクラ・とろとろ半熟玉子の四色丼
ウニとカニが入った出し巻き玉子
昆布のやわらか煮込み
春菊と人参の白和え
青森県産長芋の梅津漬け
青森県産ごぼうの醤油漬け
青森県産ほっき貝の酢の物
いわしの蒲焼き山椒がけ
青森県産蒸した若鶏のつみれ柚子風味(以上、原文のまま)
と、まことにうやうやしい。
すべてたいらげた後、四色丼以外はちょっぴりずつなので、こんなにたいそうなものが入っていたのか、ほっき貝なんてどこにあったけ?などというのが正直な感想だが、どれもたいへんに美味であることは確かだった。
特に「とろとろ半熟玉子」はかなりグレードが高く、見かけはそんじょそこらのスクランブルエッグと変わらないのに、きわめて奥深い味付けで、しかもあえてとろとろと銘打ってあるだけに食感も優れている。鮭ハラスやイクラのように元の食材がおいしいものはおいしくて当然だが、ほんわり仕上げられた卵の状態や出しゃばらない味付けは、いったいどのように作っているのだろうかと思わせるものがあった。(だいぶ大げさですけどね)
若鶏のつみれも、若鶏のテリーヌ柚子風味、といったイメージに近い。こちらもただの鶏肉だがなかなかよくできている。一口大に刻まれた昆布も肉厚でおいしい。
これぞミシェラン、参りました!と言いたいところだけれど、実際につくっているのは青森のお弁当やさんである。(おいしければどこでもいいですけどね)
ついに「じゃこめし」に変わるヒット弁当見つけ~!と思ったけれど、
「待てよ、どうせ次に乗る時にはもうないのだろう」
はかない弁当の運命に、最初から期待はするものか、と、なんともさみしく思ったのだった。



KEI
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# by kmd-design | 2011-12-09 09:50 | 身近な日常 | Comments(0)
2011年 12月 01日
2711の柩と6年7ヶ月続くプロフィール

ベルリンのブランデンブルク門の近くにある「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」(ホロコーストメモリアル)です。記念碑というと象徴的な彫刻をイメージしますが、ここでは広さ約2万㎡の敷地に柩をイメージさせるコンクリートの直方体が並んでいるだけ。しかもその数2711もあって、ひとつの高さが10cmくらいの立ち上がりのものから4、5mはあろうかと思う高さのものまでが、すこしづつ高さを変えながらうねるように置かれています。地面も平坦ではなくゆるやかな起伏が縦横無尽につくられています。ピーター・アイゼンマンがデザインしたホロコーストメモリアルは、見るというよりコンクリートの柩の林の中をさまようために作られた空間です。ちなみにベルリンをグーグルマップで見てみると、おびただしい数の立体が並ぶ異様な一角が見てとれます。メモリアルの地下は資料館です。そこは正方形の幾つかの展示室から構成されており、そのうちのひとつに犠牲になったユダヤ人の顔写真がひとりずつ映し出されている部屋がありました。そこでは顔写真とともに本人のプロフィールを読み上げた音声が流れていました。映像と音声は延々と続いているのですが、驚くなかれ、すべての犠牲者のプロフィールを聞くには6年7か月もかかるというのです。これにはびっくりしました。
ユダヤ犠牲者は600万人とあり、すべての人のプロフィールが6年の間に読み上げられるのかは不明ですが、地上に並ぶ柩といい6年以上も続くナレーションといい、静かで淡々とした表現だけにかえって心を揺さぶるものがありました。



KEI
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# by kmd-design | 2011-12-01 19:36 | 世界あっちこっち | Comments(0)
2011年 11月 29日
実験建築バウハウス

デッサウのバウハウス校舎のカラーリングです。ここはモノトーン以外は赤しか使われていませんが、階段室では手すりの立ち上がりと天井の小梁の下面だけに赤が塗られていました。シマシマ天井です。ワルターグロピウスはよっぽど小梁を見せたかったってことでしょうか?
ところで、バウハウス校舎での一番の見所は、スチールサッシが「開く」こと。場所によって開き方が異なりますが、取っ手をくるくる回すと開く窓や、鎖を引いて開く上部の窓など、建築メカが好きな方にとっては興味をそそります。ちなみに一緒に行った夫はハマっておりました。
カフェテリアに入ると、室内に透明のパイプが上下に通っていました。シースルー雨樋です。その日はたまたま雨だったので水が流れているのが見えました。




KEI
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# by kmd-design | 2011-11-29 20:25 | 世界あっちこっち | Comments(0)
2011年 11月 17日
勝手に3D

ツォルフェラインへはエッセンの駅からトラムに乗ります。所用時間は約20分。到着したトラムのツォルフェライン駅は、打ち放しコンクリートに色彩構成的な壁画が描かれ、全体でひとつの彫刻のよう。静かな田舎町には不似合いともいえる色彩ですが、かといって浮いているわけでもありません。色彩は紫、オレンジ、ピンクなどの暖色に黒、白の無彩色の組み合わせで、コンクリートの素材色をそのうちの1色として取り込んでいます。
しかし、せっかくのアートも落書きが残念。勝手に白線を入れて平面を立体に起こしているとは、確信犯か。それにしては中途半端な挑み方です。

KEI
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# by kmd-design | 2011-11-17 22:42 | 世界あっちこっち | Comments(0)
2011年 11月 10日
原型はこれだ?

ツォルフェラインの中で唯一新築の建物がSANAAのツォルフェラインスクールです。敷地の端、原っぱの中に建っています。立方体のなかに大小の正方形の開口がランダムに空いているRCの建物は、ふしぎと立方体や正方形を使っているのに固くないのです。(私の主観です)あっけらかんとしていて、日本の建築家の作品に見られる工芸品のような完成度はみじんもないざっくり感とおおらかなスケールが何ともいえません。この一見未完成風は、ここにどういう造形を持ってくるか、という問いに対して見事に答えているのではないかと思います。しかしもったいないことに中はがらんどうで使われていませんでした。
ところで、ツォルフェラインの敷地を歩くと廃物を利用したさまざまなアートに出合います。やっとこやアンビル、車両など元の使い方がわかるものもありますが、中には元が何なのかわからないけれど造形的におもしろいものも。
これはそのうちのひとつ、立方体に正方形の穴ぼこの廃物です。一体何に使われたのでしょう?立方体、正方形の穴、しかも中はからっぽ。ウーム、どこかで見覚えが・・・。
実はこれがツォルフェラインスクールの原型?・・って、もちろんそんなはずありませんよ。




KEI
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# by kmd-design | 2011-11-10 15:00 | 世界あっちこっち | Comments(0)
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